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不妊症の原因と受診のタイミング

不妊症とは、具体的にはどんな状態を指し、いつ受診すべきなのでしょう?知っているようで知らない、不妊症の実体を解説します。

不妊症の定義は年齢や卵子の状態で異なる

「女性が最も妊娠しやすいのは、20代。それ以降は、1年ごとに妊娠率が低くなっていきます。ところが、私の勤務する病院で、初めて不妊症の検査を受ける女性の平均年齢は39才。不妊症かな?と思ったら、なるべく早くカップルで受診してほしいと思います」

そう話すのは、国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊診療科医長の齊藤英和先生。不妊症とは、一般的に「避妊をしないで性生活を送って、1年間妊娠しないこと」と言われますが……。

「定義上はそうですが、それで不妊症の判断をするのはおすすめできません。すでに高齢の場合、1年も様子を見ていたら、その間にますます妊娠が困難になってしまいます。また若い女性でも、卵子の数が高齢の方と同等のケースもあります。その場合もやはり、1年を待たずに治療を始めたほうがいいでしょう」

では、どのような目安で不妊症を疑えばいいのでしょうか。

「まずは排卵日を予測し、そのタイミングに合わせてセックスを行ってみてください。女性が35才未満であれば半年(6回)、35才以上であれば3カ月(3回)続けても妊娠しなければ、不妊症の可能性があります。その場合は、不妊検査を受けましょう」

加齢や不規則な生活習慣が不妊症を助長する

不妊症のトラブルには、どんなことが考えられるのでしょうか?

「大きく分けて5パターンあります。女性の場合は、3つ。なんらかの原因で排卵が起こらない排卵因子、卵管にトラブルがあり卵子や精子が通りにくい状態になっている卵管因子、子宮に異常があって着床が困難な子宮因子。男性の場合、一定量の健康な精子をつくれない精子形成障害や勃起不全などで、まとめて男性因子と呼ばれています。5つ目は、どれにも当てはまらないその他の因子。こういったトラブルが単独で起こる場合も、複数が合わさって起こる場合もあります」

そもそもトラブルはなぜ起こるのでしょうか?

「原因はさまざまで、いちがいには言えません。ただ、とくに女性ですが、やはり加齢によってトラブルは起きやすくなるといえます。健康な卵子の数が少なくなっていますから、受精したり、受精後に順調に育っていく力が弱いのです」

そしてもう一つ、見逃してはならないのが……。

「健康状態です。健康的な生活を送り、体調を整えることも、妊娠するためには大切なことなのですよ」

具体的には、どのようなことに気をつけるといいのでしょうか。

「基本的なことですが、睡眠をしっかりとり、適度な運動を行い、バランスのいい食事をとることです。やせすぎも太りすぎも不妊の原因になるので、適正体重をキープしてください。冷えや過度のストレス、喫煙や大量の飲酒も避けましょう」

不妊症で長く悩まないためにできること

1.体のリズムを知ってセックスを行う
精子と卵子の寿命から考えると、妊娠しやすいセックスのタイミングは、排卵日とその前日の2日間。排卵日の予測は、基礎体温や市販の検査薬のほか、排卵日が近づくと増え、粘りけが強まるおりものも参考に。

排卵日予測の手がかり
・基礎体温
・排卵日検査薬
・おりものの状態

2.「心配だな」と思ったら早めに受診
妊娠できるかどうかは、女性の年齢が大きくかかわってきます。成人女性なら、一般的に若いほど妊娠しやすく、また、治療の効果も比較的早く表れます。できるだけ早く、不妊検査や治療を始めましょう。

3.男性も一緒に検査・治療を
不妊治療を女性任せにするカップルも少なくありませんが、不妊の原因の比率は、男女約半々といわれています。男性も自分の問題でもあることをしっかり自覚し、不妊検査や治療は2人で取り組むようにしましょう。


【監修】
齊藤英和先生
国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊診療科医長。不妊治療の最前線で活躍する傍ら、高年出産に伴うリスクの啓発にも尽力。著書に『妊活バイブル』(講談社)。

『妊活たまごクラブ』より抜粋 2018/02/05更新

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